GMに挑戦! 第6回

初心者向け『ゲームマスター(GM)入門』 第6回


●第6回●
戦闘になったら ~GM&キャラの戦い方~


「戦闘……それはGMとプレイヤーの知恵比べである……」
 みなさんお元気ですか? 風邪ひいてませんか? 先日、ついに熱でダウンしてしまった織神尚砥(しきかみ なおと)です。
「GMに挑戦!」の6回目。お待たせしました。前回に引き続いて「戦闘」についてですね。今回も初心者の味方! 若葉マークGMのコボルトくんと頑張ってお贈りします。

(注)重要なことは枠の中にまとめてあります。後で読み返す時には、枠の中だけを読んでもOKです。

■GMの戦略「攻撃対象を確認せよ!」

織神:さて、今回はもう一歩、『フォーチュン・クエストRPG(以下、FQRPG)』における戦いの荒野に踏みこんでみましょうか。
コボルト:踏みこんじゃうんですか。
織神:踏みこんじゃうんです。戦闘が始まる前までが前回のお話でした。今回は戦っている最中のお話をアレコレしてみたいと思うんですね。
コボルト:戦っている時……。あ、はい! 教えてほしいことがあります! あのですね、戦闘になった時、モンスターの攻撃方法や、攻撃対象はGMが決めますよね?
織神:そうですね。シナリオに登場するモンスターが「誰を攻撃するか」「どうやって攻撃するか」を決めるのはGMの担当です。
コボルト:それって、どんな風に決めてるんですかぁ? 
織神:ど、どんな風に? ううん。織神の場合、その場に応じて臨機応変にかなぁ。
コボルト:りんきおうへん? てきとーってこと?
織神:ち、違いますってば。ええと……。じゃあ、若葉マークコボルトくんのために、簡単な方法を紹介しましょう。
コボルト:お願いしま~す。

Q1
戦闘になったら、モンスターが攻撃する相手を、GMはどのようにして選んだらよいのですか?

■戦闘に慣れていない頃は、サイコロを振って決めよう!

織神:パステルたちとゴブリンたちとで戦闘になったとしましょう。〈前列〉のゴブリンが剣を、〈後列〉のゴブリンが弓をもっているとします。〈前列〉のゴブリンが攻撃する相手はキャラたちの〈前列〉にいる誰かですよね。ふつうは──
コボルト:クレイさんか、ノルさんです。
織神:そそ。そういう時、サイコロを1個振って、1,2,3が出たらクレイ、4,5,6が出たらノルとかあらかじめ決めておくわけです。弓をもっている〈後列〉のゴブリンだったら、6人のキャラ全員を狙えるから、1が出たらクレイ、2が出たら……みたいにします。
コボルト:あ、すっごい決めるのがラクです!
織神:そう。これは実はGMの負担を減らす役割もあります。攻撃対象をランダムにすると、GMもあれこれと悩まずにすむのです。

★攻撃する対象の決め方

攻撃する対象は、サイコロを振って決めよう。

例:下のような隊列の場合

キャラ側前列    (ノル)   (クレイ)
 …………………………………………………………
モンスター側前列 (ゴブリンA)(ゴブリンB)


◎ショートソード(近距離武器)をもっているゴブリンAは、ノルとクレイのどちらかを攻撃できる。サイコロ1個を振って、1、2、3が出たらノルを、4、5、6が出たらクレイを狙うこととする。
◎GMがサイコロ1個を振ったら、4が出た。
◎GM「ゴブリンAは、クレイに向かって切りかかっていったよ」

※GMは、「1,2,3が出たらノルを、4,5,6が出たらクレイを狙うよ」とプレイヤーに宣言して、目の前でサイコロを振っても構わない。


コボルト:えっと……。サイコロを振る前に、どんなサイコロの目が出たらどのキャラクター(以下、キャラ)を狙う、とかGMは言ってしまって構わないんですね。
織神:どのみちサイコロの目は操作できませんから。大事なのは、こういう決まりごとは一度決めたらゲーム中はできるだけ変えないことです。
コボルト:ずっと、ですか。途中で変更はナシ?
織神:理由があって、プレイヤーたちを納得させられるのならば構いません。でも、たとえばサイコロで攻撃対象を決めると宣言したら、少なくともそのゲーム中ではずっと同じやり方を通したほうがいいと織神は思うんです。もちろん、シナリオの中でモンスターの戦い方が指示されていた場合は別ですけど。
コボルト:なるほどぉ。
織神:ともあれ、GMも戦闘に慣れていない頃は、攻撃対象をサイコロで決めてしまうのが一番楽です。GMには他にやることも多いですし。
コボルト:やることって?
織神:黙々とサイコロを振るだけじゃ退屈でしょ? たとえばゴブリンが剣を振るう時は「ぐふふふ。おれの剣で血祭りにあげてやるゴブ~!」とか! 相手の攻撃を受けたら「ぐぁああ! や、やられたゴブぅ!」とか!
コボルト:なるほどぉ。……あれれ? パステルさんたちって、ゴブリン語を理解できないはずじゃ……。
織神:う、そーでした。で、でも、ゴブリン語でしゃべってもパステルたちは理解できないじゃないですか。
コボルト:それはそーですけど。
織神:えーとえーと。よし! じゃあ、「と言っているような気がする」って、最後に言い添えておくっていうのはどうでしょう?
コボルト:あ、ずるい!
織神:ち、知恵が回ると言ってください。えとえと。そのあたりは戦闘場面の演出だから、また今度にしましょう。
コボルト:なんかゴマかされてます~。

Q2
GMは、戦闘の時、キャラにはどんなアドバイスをしてあげればよいですか?

■攻撃の順番を気にしてみよう。

織神:実はFQRPGのモンスターは、キャラと同じように行動できます。モンスターにできないのは、〈フォーチュン・カード〉と〈フォーチュン・ポイント〉を使うことです。
コボルト:あと、モンスター側にはシロちゃんがいません~。
織神:そうそう。でも、それを除けばキャラのできることはモンスターたちもできるわけです。
コボルト:じゃあ、薬草などのアイテムを使うこともできるんですか?
織神:はい、持っていればできます。たいていは、モンスターはアイテムを持っていませんけど。だから、キャラへの戦闘アドバイスは、そのままGMにとっても役に立つはずなんですね。
コボルト:あ、なるほどです。
織神:というわけで、ここでキャラへの戦闘のアドバイスです。初心者のプレイヤーがいたら、さりげなくGMがフォローしてあげましょう。
コボルト:プレイヤーさんにも読んでほしいところです。
織神:そうですね。ではまずは、キャラの特徴の把握から。ちょっとまとめてみました。

★キャラの攻撃の特徴

キャラ 攻撃できる相手 特徴
〈前列〉 〈後列〉 〈飛行〉
クレイ × × 〈攻撃力〉が大きい。
ノル × × 〈攻撃力〉が大きい。
トラップ 〈命中〉が大きい。
パステル シロちゃんを使って攻撃できる。
キットン × × ミニ図鑑で調べられる。キノコが使える。
ルーミィ 確実なダメージを与えられる。

※パステルはクロスボウで〈後列〉にいる時、キットンはクワをもって〈前列〉にいる時の場合です。シロちゃんはパステルと一緒にいる、と仮定しています。


織神:ええとね。FQRPGでは、〈命中〉の値が大きいキャラは〈攻撃力〉が小さい。〈攻撃力〉が小さいキャラは〈命中〉が大きい。……となっているんだ。トラップは、2、3、5、6レベルの時、〈命中〉はノルやクレイよりも大きいでしょう? だけど、〈攻撃力〉は小さいでしょ?
コボルト:あ、ほんとだ。要するに、トラップさんは当たりやすいけど、ダメージを与えにくい。ノルさんやクレイさんは逆ってことですか。
織神:そのとおりです。で、ここで攻撃の順番が問題になるわけです。戦闘が始まった直後って、誰が最初に行動したほうがいいか、わかりますか?
コボルト:キットンさんの「モンスターポケットミニ図鑑」です! 弱点を調べなくちゃ!

★最初の一手

戦いが始まったら、何はともあれ「モンスターポケットミニ図鑑」を引こう!


コボルト:モンスターポケットミニ図鑑で調べるのに成功すると、相手の詳しいデータや弱点がわかるんですよね。
織神:そうです。ではその次は?
コボルト:その次……ううん。わ、わからないです。
織神:正解!
コボルト:ええ!?
織神:だって、敵がどんなモンスターか、どんな隊列なのかわからなかったら、作戦は立てようがありません。
コボルト:そ、それはそうですけどぉ。
織神:だから、作戦、つまり戦い方は毎回変わるのがふつうなんです。
コボルト:うう。すっごい作戦を教えてくれるのかと思ったのに~。
織神:あはは。絶対確実なすっごい作戦なんてゲームにはありません。でもね、基本はあると織神は思うわけです。これは織神の考え方ですけど、FQRPGは、健康状態が悪化すると途端に弱くなるのは実感してますよね?
コボルト:はい。
織神:では、具体的には、どんな数値が健康状態とともに変化するか、覚えてますか?
コボルト:えっと……。〈命中〉〈回避〉〈魔法命中〉〈魔法回避〉です。
織神:あたりです。〈攻撃力〉と〈防御力〉は変わらないけど、その4つの値が低くなっただけで、やっぱり弱くなります。
コボルト:それで、負け始めると、どんどん負けていくような……。
織神:そう。しかも、モンスターは回復しません!(※一部、戦闘中に回復するモンスターもいます)。
コボルト:そういえばそうです。モンスターって負けっぱなしです。
織神:たとえば、〈聖水〉というアイテムを例にして考えてみましょう。これは、「使う」だけで、アンデッドモンスターの健康状態を確実にひとつ悪化させることができます。
コボルト:そうか! 最初に使っておけば、〈回避〉と〈魔法回避〉の値が低くなるから、次のキャラの攻撃が当たりやすくなるんですね!
織神:正解です。ルーミィの魔法も、命中するだけでモンスターの健康状態をひとつ悪くすることができるので、武器攻撃より、相手の健康状態を悪くできる確率が高かったりします。しかも、その魔法がモンスターの弱点だったら、さらにひとつ健康状態が悪化します……。
コボルト:命中しただけで、一気に「元気」から「負傷」ですか! すっごい。それで、ダメージを与えることもできたら、「重傷」! あと一撃で「気絶」なんですね? シロちゃんの〈熱いのデシ〉もルーミィさんの魔法と同じ効果があるんですよね。そうか、それで弱点を先に調べておくことが大事なのかぁ。
織神:はい。どんな攻撃も「命中しなければ怖くない」んです。裏を返せば「戦いはまず命中から始まる」んですね。どうしたら、味方の攻撃が命中しやすくなるか。そう考えるのが、攻撃の順番を決める時のポイントのひとつです。

★キャラの攻撃の順番

自分たちの攻撃が命中しやすくするにはどうしたらよいかを考えて順番を決めよう!

(1)まず、「モンスターポケットミニ図鑑」で弱点を調べよう!
(2)アンデッドの敵には、〈聖水〉や〈ホーリースプレー1〉から。
(3)命中だけで相手の健康状態を悪化させることができるルーミィの魔法をまず使おう。
(4)火が弱点ならばファイアーで、氷が弱点ならばコールドでと、弱点を攻撃しよう。
※シロちゃんの〈熱いのデシ〉も、ルーミィの魔法と同じ扱いなのを忘れずに。


織神:もちろん、これはひとつの考え方でしかないし。時と場合によってはこの基本も変わるんだけど、「自分たちの攻撃が命中しやすくするにはどうしたらいい?」って考えると、順番を決めやすいと思うんです。
コボルト:とっても参考になります。あ、そうだ。パチンコやクロスボウの遠距離武器とロングソードやアックスなどの近距離武器だったら、どっちが先ですか?
織神:それは難しい問題ですね。先ほども言ったように、トラップは命中しやすいけど、ダメージを与えにくい。ノルやクレイはダメージが大きいけど、トラップほどには命中しにくいんですねぇ。
コボルト:命中しないと始まらないんだから、トラップさんが先、ですか?
織神:でもね。クレイやノルは、高い〈攻撃力〉を持っているから、一回の攻撃で一匹倒してしまう可能性があります。そうすると、トラップがちょっとだけ傷つけた相手に、クレイやノルが攻撃するのってもったいないと思いません?
コボルト:あ、そうですね。ひょっとしたら、「元気」から一気に「気絶」になったかもしれないのに……。
織神:でも、そもそも命中しやすいトラップがモンスターの健康状態を悪化させていたから、クレイやノルは命中させることができたのかもしれません……。
コボルト:あうう。悩みます~。
織神:まあ、そこは実際に悩んでほしいところです。いろいろな順番で攻撃してみて、自分たちのパーティはこうする、というのを仲間同士で作ってみてほしいと、織神は思うですよ。
コボルト:自分たちなりの、ですかぁ。
織神:はい。ちなみに、基本の理屈はモンスター側にも当てはまるわけです。キャラたちの健康状態を確実に悪化させるにはどうすればいいか、特に〈回避〉を低くするにはどうしたらいいか、って考えると、モンスターたちの攻撃の順番も決められると思います。
コボルト:魔法を使うモンスターが先に攻撃して、とか。
織神:そうそう。戦闘に慣れてきたら、少しずつGMもプレイヤーもいろいろと考えて戦ってみてほしいですねぇ。
コボルト:わっかりましたぁ!
織神:第6回はここまでです。第7回は、もっと〈戦闘〉を掘り下げて考えていきます!

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